邸宅の裏手にある大自然が四季折々の表情を覗かせている。
設計前の環境調査から、北側に位置する山や川を楽しめるよう工夫を凝らした。掃き出し窓の設置、またピクチャーウインドウを設け、季節が巡るごとに入れ替わる邸宅唯一の絵画が出来上がっている。
元々は将来を見据えて、「平屋のような暮らしがしたい」という希望で始まった家づくり。生活空間は一階にまとまり、洗面脱衣室、バックヤード、ランドリールーム、外部物干しスペースを縦に配列し、ランドリールームの近くにはタタミコーナー。洗濯物を洗う〜干す〜たたむまでの動線を最短距離で設計されている。
反面、寝室は静かな場所に配置されており、「動」の工夫だけではなく、「静」の工夫にも配慮されており、穏やかな空間が確保されている。

リビングの天井には高窓とシーリングファンが設けてあり、ファンがクルクルと回る度、室内全体を照らす柔らかな光に加え、空気に流れが生まれていて、ささやかな心地よさがある。
お施主様こだわりのダイニング天井に貼られたレッドシダー、ダイニングの傍に設置された薪ストーブなどは住まい手に流れるダイニングでの時間をかけがえないものへと変えているに違いない、とふと思うのである。